シドニー(オーストラリア) – 業界をリードする物流実行ソフトウェア、CargoWiseを開発するWiseTech Global (ASX:WTC)は本日、ポルトガルの通関部門におけるITソリューションで市場をリードする開発者、Singeste - Sistemas de Informática, Lda (Singeste)社の買収を発表した。

1986年に設立されたSingeste社はリスボン首都圏のセイシャルに本社を置き、その主力製品であるGIDWinは、通関業者とフレイト・フォワーダーの通関手続きを円滑にし最適化するために、ポルトガル税務関税局との直接通信を可能にするソリューションだ。同社の顧客には、DHL、FedEx, UPS、MSC、Expeditorsなど、ポルトガルで事業を展開する国際的なフレイト・フォワーダーや荷送人が含まれる。

ポルトガルはコンテナ港における貨物の取扱量が南ヨーロッパで5番目に多い[1]。リスボンとポルトにある港は海上貿易の重要な拠点として機能しており、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ大陸を結ぶ戦略的な玄関口となっている。従来、ポルトガルは農産物や繊維、衣料品を輸出してきたが、技術機器の輸出も増加している。主な輸出先はスペイン、フランス、ドイツ、アメリカ、イギリスで、主な輸入先としてはスペイン、ドイツ、フランス、中国、オランダが挙げられる[2]

WiseTech Globalの最高実行責任者(Chief Execution Officer)であるVlad Bilanovsky氏は次のように述べる。「Singesteはポルトガルと欧州連合の通関分野において、30年間の経験と技術的専門知識を有している。そして今後は、同社の経験と知識がCargoWiseにおけるグローバルな通関ソリューションの一部として利用可能となる」

「今回の買収は、真にグローバルな通関プラットフォームを開発するという当社の絶え間ない取り組みを裏付けるものだ。そして、CargoWiseのグローバル通関機能がより多くの大手グローバル・フレイト・フォワーダーにより使用されるようになるにつれ、その価値が証明される。今回ポルトガルが加わることで、当社のグローバル通関システムが網羅する製造品の国際貿易取引量がさらに拡大し、世界の製造取引量の90%を取り扱うという当社の目標にさらに近づくことになる」とBilanovsky氏は言う。

Singesteの事業はWiseTech Globalグループに統合され、Pedro Bacelar氏の現在のリーダーシップの下で継続される。Singesteは引き続きそのソリューションを顧客に直接提供し、CargoWiseのその他のソリューションも順次提供していく。

SingesteのCEOであるPedro Bacelar氏は次のように述べる。 「WiseTech Globalに加わることで、当社はポルトガルで事業を展開するCargoWiseの顧客にGIDWinを提供する機会が得られただけでなく、当社の顧客もまた、他国におけるCargoWiseの通関・コンプライアンス機能にアクセスできるようになり、国際貿易の通関手続きが簡素化される。また我われは、今後当社の顧客にCargoWiseのその他のモジュールが提供できるようになるのを楽しみにしている。私は長年にわたって、複数国に対応した通関コンプライアンスを開発するという目標を掲げてきた。そのため、この革新的な世界規模のプロジェクトにWiseTechチームと協力して取り組めることを大変うれしく思っている」

写真:(左)WiseTech Global、最高実行責任者(Chief Execution Officer) Vlad Bilanovsky氏、(右)Singeste CEO、Pedro Bacelar氏 

[1] 国際貿易開発会議(UNCTAD)- https://unctadstat.unctad.org/datacentre/dataviewer/US.ContPortThroughput

[2] ロイズ銀行(Lloyds Bank)- Foreign trade figures of Portugal - International Trade Portal (lloydsbanktrade.com)